『日本経済新聞』2006年5月6日付

学生の相談件数が増加傾向、大学が支援を強化


 悩みを抱える大学生に解決に向け援助する学生相談の件数が、3分の2近くの
4年制大学で増加傾向にあることが6日、日本学生支援機構の調査で分かった。
相談内容は家族・友人などとの「対人関係」が最も多く、約6割を占める。文部
科学省は「大学側の相談態勢の充実に加え、人間関係が苦手な学生が増えたこ
とが背景にあるのでは」と話している。

 調査は全国の4年制大学716校に、2005年5月時点の学生支援などの状況を尋ね
るアンケート形式で実施。87.4%に当たる626校から回答を得た。

 5年前に比べた学生相談件数の変化を聞いたところ、65.4%の大学が「増加し
た」と回答。「変化なし」は15.2%、「減少した」は2.6%で、担当者の交代な
どを理由に「比較不能」としたのは16.8%だった。

 国公私立別では、相談件数が増えた大学の割合は私立64.7%、公立65.5%に
対し国立は69.9%とやや高い。

 調査では増加が目立つ相談内容を上位3つまで挙げてもらった。最多は家族・
友人や異性などとの「対人関係」で57.7%。