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『東京新聞』2006年4月27日付 『行革国会』 ようやく本番 参院特別委 衆院補選勝利で勢い 小泉首相が今国会の最重要法案と位置付ける行政改革推進法案が26日、参 院特別委員会で実質審議入りした。衆院千葉7区補選の勝利で意気上がる民主 党は、天下り問題などで論戦を挑み、首相も民主党の主張に歩調を合わせる柔 軟な姿勢を見せた。衆院審議は偽メール問題の混乱や民主党代表選のあおりで 内容が乏しかったが、ようやく参院段階で「行革国会」らしくなってきた。 (佐藤圭) 民主党の松井孝治氏は、公益法人の天下り理事は「三分の一以下」と閣議決 定しながら、例えば、国土交通省が所管する各地の建設弘済会で、役員の大半 を国交省出身者が占めていると指摘。 いずれの建設弘済会でも事業の100%近くを国からの随意契約で得ており、 各省庁と公益法人の癒着ぶりを追及した。 首相は「それは良い指摘だ。(閣議決定を)すり抜けることのないように見 直す」と述べ、天下り規制を強化する考えを表明した。 しかし、松井氏は納得せず、「閣議決定を見直すなら、法案に入れるべきだ」 と畳みかけた。行革法案に明確な天下り制限の規定がなく、民主党は「一定期 間の全面禁止」を盛り込んだ対案を提示しているからだ。 さすがに首相も「政治は法案だけではない」と法案の修正には応じなかった ものの、終始一貫して「いい点は取り入れる」(首相)態度を崩さなかった。 首相の目には、本当の敵は民主党ではなく、国家公務員の5%以上純減目標 に抵抗する「霞が関」と映っているようだ。 「役所は人員削減には抵抗するものだ。(省庁の)言うことを聞いていたら 何も改革はできない。言うことを聞かなければ私が出ざるを得ないが、できる だけ私の出番をなくしてくれと(各閣僚に)指示している」 首相は、官僚と、そのお先棒を担ぐような閣僚たちをけん制することを忘れ なかった。 |