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『朝日新聞』2006年4月26日付

国立大にも年俸制 北陸先端大


 北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)は今年度、研究ポストの一部
に年俸制を導入した。文部科学省によると、国から受ける基幹的な予算である
運営費交付金を使って国立大学が年俸制を導入するのは全国初。年俸に上限は
設けず、役員の最低報酬である1100万円を超えることもあるという。

 今年度新設した「特別招聘(しょうへい)教授」のポストに適用する。学長
が3年ごとに業績を評価、次の3年間の年俸に反映させる。退職金はあるが、
ボーナスや定期昇給はない。

 人選はこれからだが、同大総務課によると、「これまで招けなかった世界的
な研究者」を企業や海外から一本釣りしたいという。

 国立大学は法人化後、給与の額を独自に決められるようになったが、多くは、
勤続年数に応じて額が決まる公務員の給与制度を準用している。前職での実績
が給与に反映されないため、スカウトの壁になっていた。

 国は第3期科学技術基本計画(06〜10年度)で研究者の「流動化」を目
標に掲げる。5年程度の任期つきのポストを増やすほか、同じ職場にとどまる
ほど有利になる退職金や年金制度を改めたり、年俸制を導入したりして、競争
を促して優秀な人材を育てるという。