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『日本海新聞』2006年4月22日付

教育基本法 65%が改正慎重 本社モニター調査


 教育基本法改正案の取り扱いが注目される中、新日本海新聞社は十九−二十
一日の三日間、鳥取県内百人の本社モニターを対象にアンケートを実施した。
その結果、政府が今国会で成立を目指している改正案について、「慎重に論議
すべき」「改正すべきでない」が合わせて65%を占め、改正に慎重な意見が多
いことが分かった。また、「愛国心」を明記すべきが43%あった。

 調査は電話で聞き取り、回答は九十六人。

 改正案の是非について年齢別に見ると、「改正すべき」と答えたのは六十歳
以上が最も多く、次いで四十代、五十代の順。二十代、三十代で「慎重に論議
すべき」の回答が目立ち、高年層に積極論、若年層に慎重論が比較的多い。

 一方、改正の焦点となっていた「愛国心」の表現をめぐり、与党は「伝統と
文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度」との表現
で合意したが、アンケートでは43%が「愛国心をしっかりと書き込むべき」と
答えた。

 二十代、三十代は半数以上が「愛国心の明記」を望み、逆に高齢者層の多く
は「合意内容を適切」と判断。男性は「愛国心の明記」、女性は「合意内容を
適切」と答える人が多く、世代間と男女間で「国を愛する」意識に大きなギャッ
プがある実態も浮かび上がった。

 給食時の合掌を排除するなど、学校現場で宗教的要素が敬遠される風潮もあ
る中、改正のもう一つの焦点となっていたのが「宗教教育」。政府が「宗教的
情操の涵養(かんよう)」の明記を見送ったことについて、「適切な判断」と
答えた人は32%で、「明記すべき」の17%を大きく上回った。

 また、義務教育の「6・3制」の枠組みについて、「維持すべき」は40%で、
「変更するべき」は12%。国旗・国歌斉唱やその際の起立については、「強制
すべき」が41%、「強制すべきでない」が42%と意見が分かれた。

 宗教教育や6・3制の維持については、半数近くが「どちらともいえない」
「分からない」と回答し、関心の低さも浮き彫りとなった。