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『建通新聞』2006年4月20日付

【東京】目標は400万平米 2次国立大学等整備5計


 文部科学省は、2006年度から10年度までの「第2次国立大学等施設緊急整備5
カ年計画」をまとめた。老朽施設の再生を最重要課題と位置付け、5年間で約
400万平方メートルという整備目標を掲げた。特に耐震性などに大きな問題を抱
える施設の重点整備を図る。狭隘(きょうあい)解消整備は約80万平方メート
ル、大学付属病院の再生は約60万平方メートルの目標を設定。所要経費は総額
で最大約1兆2000億円と推計している。

 第2次計画は、3月28日に閣議決定された「第3期科学技術基本計画」の中で、
「老朽施設の再生を最優先として整備する観点から、第3期科学技術基本計画中
の5年間に整備するべき施設を盛り込んだ施設整備計画を策定し、計画的な整備
を支援する」方針が示されたことを受け、同省が作成した。

 基本方針では、第1次計画(2001年度〜05年度)で、老朽施設の改善が計画の
半分程度にとどまったことを踏まえ、その再生整備を最重要課題に掲げつつ、
合わせて新たな教育研究ニーズによる施設の狭隘(きょうあい)解消、教育研
究基盤施設の再生などに取り組む姿勢を示した。

 老朽施設の再生については、15年後をめどに老朽施設(経年25年以上の未改
修施設)を再生するために必要な事業量から、向こう5年間の整備目標を約4
00万平方メートルと導いた。事業採択に当たっては、▽耐震性が著しく劣る▽
基幹設備の不備など著しい機能上の問題がある―といった施設の整備を優先す
る。

 狭隘(きょうあい)解消の整備目標は約80万平方メートルで、既存施設の有
効活用によるスペース確保を基本としながら、やむを得ないものについて新増
築による整備を図る。約60万平方メートルを目標に掲げた大学付属病院の再生
に当たっては、先端医療の先駆的役割などを果たすための再開発整備を計画的
に進めていく。

 こうした施設整備に必要な経費は、これまでの実績に基づき試算した場合、
最大約1兆2000億円に達する。ただし、厳しい財政状況を考慮し、国立大学など
に対して、自助努力による新たな財源確保の可能性を検討するよう求めるとと
もに、同省として支援・促進策を講じる。

 具体的には、個々の施設の事業採択に当たり、国立大学が取り組む施設マネ
ジメントや新たな整備手法(PFI事業など)への取り組みを積極的に評価し
ていく方針だ。