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『日刊県民福井』2006年4月14日付 産学研究、2年で倍増 福井大 外部資金獲得へ積極策 二〇〇四年四月の法人化を機に、福井大が企業と共同で進める研究件数が急 増している。〇五年度の年間研究件数は百九十三件に達し、法人化される直前 の〇三年度の実績(九十八件)に比べてほぼ倍増した。企業がアプローチしや すい「開かれた大学」に学内改革を図った“果実”でもあるが、今後は企業に 研究成果を着実に還元していくことが求められそうだ。 (尾嶋 隆宏) 福井大は法人化と同時に、五年間で年間の共同研究件数を〇三年度の一・五 倍(百四十七件)に引き上げる数値目標を設定。〇五年度の実績は「一・九七 倍」に当たり、この目標をわずか二年間でスピード達成した。 全国の約千大学でみると、百四十件の共同研究を実施した〇四年度は二十三 位(文科省集計)にランクされた。今後、集計される〇五年度のランキングで は、順位をさらに上げる可能性が高い。 福井大として取り組める共同研究件数の上限は、工学部の教官の半数以上が 既に産学連携にかかわっている現状から「年間二百五十件程度ではないか」 (高島正之・地域共同研究センター長)とみられている。 共同研究が急増している背景には、法人化に伴う財政改革で教官一人当たり の研究費が削減されたことがある。各教官の関心は「外部資金」の獲得に向か い、これまで以上に企業との共同研究に積極的になった。 〇五年度に産学連携で実施した研究件数は、大学に完全依存の受託研究も含 めると前年度比31・1%増の二百五十七件まで伸びた。この結果、大学全体 で獲得した外部資金は、同8・2%増の十億九百万円となった。 外部資金の一角を占める共同研究の企業負担金について、福井大は本年度か ら、「成果に対する対価」を基準に見積もるシステムに改定した。これまでは 企業側から負担額を一方的に提示されるケースが多かったが、今後は契約前に 双方で負担額を協議し、合意した上で共同研究に入る。研究の“ゴール地点” を鮮明にすることにつながり、より成果重視の研究が増えると期待されている。 高島センター長は「共同研究の件数は、これからどう維持していくかが課題。 (企業側からは)研究のクオリティーを高め、成果を出していくことが求めら れている」と話し、責任の重要性を認識していた。 |