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『毎日新聞』2006年4月16日付

総務省:地方公務員の純減目標 減少率最大は和歌山県


 総務省は都道府県が策定した2010年までの地方公務員の純減目標をまと
めた。国が掲げる4.6%の純減目標は兵庫県や神奈川県など都市部では大き
く下回っている。しかし、法律によって自由に削減できない警察官や教職員は
地方公務員の4分の3を占めることから、特に都市部では削減の努力にも限界
があるのが実情だ。

 42道府県(5都府県は策定中など)のうち、最も減少率が大きいのは和歌
山県の10.6%で、奈良県(9.0%)、北海道(8.9%)が続く。和歌
山、奈良の減少率が大きいのは、両県内の県立大学の独立行政法人化により教
職員が非公務員化したのが大きい。逆に最も減少率が小さいのは兵庫県の0.
9%で、三重県(1.1%)、神奈川県(1.4%)、愛知県(1.5%)と
都市部が多い。

 地方公務員のうち、地方の裁量で削減できる一般行政職員は2割弱に過ぎず、
4分の3以上は法律で数が決められている警察官や教職員である。和歌山や奈
良でも警察官と教職員に限れば減少率は3%台と小さい。児童・生徒数の減少
幅が小さく、治安対策も特に重視される都市部では必然的に公務員は減らなく
なっている。

 政府が今国会に提出している行革推進法案では、地方公務員の4.6%削減
を盛り込み、「地方公務員の配置に関し、国が定める基準を見直す」としてい
る。「85%が警察と教育で、残りだけではなかなか減らない」(兵庫県)と
いう声が聞かれるなど今後、基準見直しの具体化が課題となる。【葛西大博】