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『朝日新聞』2006年4月16日付

都道府県職員、10年度までに6万人削減の見通し


 都道府県の職員が、2010年4月までに少なくとも計約6万人減る見通し
となった。総務省が、行財政改革の方針を盛り込んだ都道府県の「集中改革プ
ラン」を集計した。同省が目標としていた削減率4.6%を達成する見込みだ
が、公立大学などを法人にし、自治体から切り離して「非公務員化」する職員
約8000人も削減分に含まれている。

 法人化される大学や病院の運営費の不足分は、自治体が当面、交付金で負担
する。そのため、公務員でなくなった法人職員を削減分に含めることに異論も
あるが、法人は独立採算制をとることなどから総務省は算入を認めている。

 地方財政の悪化などを背景に、総務省は昨年3月、地方行革指針を策定。都
道府県や市区町村に、4.6%以上の職員の削減などを盛り込んだ、10年3
月末までの集中改革プランの策定を求めていた。

 期限の今年3月末までに策定した42道府県の05年4月時点の職員数は計
約129万人。10年4月時点の職員目標数は計約123万人。削減率でみる
と、目標と同じ4.6%となる。

 削減率が最大なのは和歌山県の10.6%。政令などで定員が決められてい
る警察官や教職員らを除く「一般行政部門」に限ると、北海道の19.4%が
最高。プラン実施期間中の07年度から団塊世代の大量退職が始まるため、退
職者の補充採用を抑える手法が目立つ。

 ただし、朝日新聞の調べでは、42道府県のうち19道県は、10年度まで
に公立の病院や大学を独立行政法人にする計画で、その職員を削減分に含めた。
人数を明らかにしていない北海道と岐阜を除く17県の「非公務員化」の数は
約8000人となる。