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『読売新聞』中部版 2006年4月16日付

愛教大が“自己啓発休暇”
教職員に最長1年 応募の3人に許可


 愛知教育大学(刈谷市)で4月から、教職員が大学に一定期間勤務すれば1
年間の特別休暇が取得できる制度の利用が始まった。応募したのは3人で、全
員認められ、早速2人が半年間、自己研修のため休暇に入った。残る1人も9
月から、1年間の予定で取得する。

 サバティカル(安息の日の意味)制度と呼ばれ、一部の私学では導入されて
いるが、国立大学では東大、お茶の水女子大などで導入されているだけで、全
国でも数少ない。

 制度は、10年間在職すると最長1年間、7年間在職だと最長半年間の特別
休暇が与えられる。この間、資格を取ったり、留学したりして自己能力のアッ
プなどを図ることができる。

 国立大学の法人化に伴って導入が可能になり、愛教大では昨年5月、制度を
導入した。制度を利用した後、最低3年間は同大に在職することや取得後に報
告書を出すことが条件で、休暇中は給料の6割が支給される。教職員には研究
や留学、旅行など長期にわたって自己啓発が行える一方、大学側にも人件費が
抑制できるメリットがある。

 愛教大では、約450人の教職員から希望を募ったところ3人から応募があ
り、全員認められた。許可された3人のうち2人は教員で、1人は心理学の学
位を取るため、もう1人は欧州のルクセンブルクで語学を学ぶための留学で、
それぞれ半年間取得する。残る1人は学生相談をしている事務職員で、学生支
援のため1年間、心理学を学んでカウンセリングに役立てるという。同大では
「専門力の向上などに活用してほしい。応募者はないと思ったが、意外に多かっ
た。制度を定着させていきたい」と話している。