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『日刊工業新聞』2006年4月13日付

文科省、北大など8機関をキャリアパス多様化事業に選定―ポスドク活用を促



 文部科学省は12日、06年度新規事業として「科学技術関係人材のキャ
リアパス多様化促進事業」に乗り出し、実施機関として北海道大や理化学研究
所など八つの大学・機関を決めたと発表した。ほかに東北大、早稲田大、名古
屋大、大阪大、山口大、九州大。 ポスドク(博士研究員)を比較的多く抱える
大学と機関が選ばれた形だ。

 第3期科学技術基本計画が人材育成の中でポスドク支援を打ち出したことな
どを受け、博士号取得者など高度な専門性を有する人材が研究機関以外の多様
な分野へ進み、その能力を発揮できるように支援するのが狙い。

 06年度予算は3億7000万円。 事業期間は3年間で、2年目に中間評価
を行う。

 例えば東北大はインテリジェント・コスモス研究機構などと連携して、テク
ニカルスキルのほか技術経営(MOT)、プロジェクトマネジメントなど企業
が必要とする実戦経験を積ませる。 約2000人のポスドクを擁する理研は、
派遣会社などを活用して就職情報の提供やきめ細かなコンサルティングを実施
する。

 米国ではポスドクの34%程度が民間企業に入っているのに対し、日本は約
17%程度止まり。 アカデミック志向が強いポスドクなど研究者らの意識改革
を促して積極的に活躍の場を広げてもらう。