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『琉球新報』2006年4月13日付

地理生かし個性的に 大学法人化で森田琉大学長


 会員制の琉球フォーラム(主宰・比嘉辰博琉球新報社長)の4月例会が12
日、那覇市のかりゆしアーバンリゾート・ナハで開かれ、琉球大学学長の森田
孟進氏が「大学はどこへ行く―法人化後の国立大学をめぐって」と題して講演
した。2004年に法人化を迎えた琉大について「地理的特性を生かして個性
的な大学を目指したい」と話し、法人化後、特に個性が求められる大学経営に
ついての戦略を示した。

 森田氏は法人化の影響について財政面で大学の裁量が拡大し、緩やかになっ
た一方で「大学にも自由競争と評価の波が押し寄せてきている。各大学とも外
部資金をどう導入するかが課題になっている」と説明。さらに「明治時代以降、
東京大学をはじめとした旧帝大へ(資金が)集中しており、その他の大学の追
随を許していない。他大学は個性を発揮しなければ生き残れない」と分析した。

 こうした現状を踏まえ、「(琉大は)東京に顔を向けても発展はない。アジ
ア・太平洋地域との交流を大事にする。その地域からの留学生が来やすいよう
に英語による授業を推進し、将来的には英語・日本語の2言語併用大学を目指
したい」と将来の展望を披露。また「地域からの要請に応える人材を育成する
ことも大学の使命」と話し、沖縄の海産資源について研究する海洋生産学科、
泡盛などについて研究する発酵科学科の設置についても検討していることを明
らかにした。