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『朝日新聞』2006年4月11日付 「労働契約法」で厚労省がたたき台 労使双方から反発 働く人と会社の雇用契約のルールを明確化する「労働契約法」の制定に向け て、厚生労働省は11日、労働政策審議会の労働条件分科会に「検討の視点」 とするたたき台を示した。有識者の研究会が提案した解雇の金銭解決や、労働 条件や就業規則の変更を決める「労使委員会」の新設を検討課題に挙げ、法制 化実現に向けて一歩踏み出した形だ。来年の通常国会への法案提出を目指して いる。ただ労使の隔たりはなお大きく、合意形成は難航も予想される。 分科会では、労働時間制度についても一体的に見直すとし、労働基準法の改 正も併せて検討。年収額の高い労働者を労働時間規制から外す「自律的労働時 間制度」の創設などが検討課題にあがっている。 たたき台では、明確にすべき契約ルールとして、(1)就業規則(2)重要 な労働条件の変更(3)解雇(4)有期契約の四つを挙げた。就業規則では、 労働者の過半数が加入する組合がない場合の労使協議の場として、民主的な手 続きで委員が選ばれた「労使委員会」の設置を提案。労働条件の調査・審議や、 就業規則の変更の決議ができるとした。 また、解雇に関しては、裁判で解雇が無効となった場合でも、実際には労働 者の職場復帰が難しいなどとして、企業に金銭解決を認める仕組みの導入を挙 げた。 分科会では、就業規則の位置づけについて労働側から疑問が集中。「就業規 則は使用者が労働者の合意なく設定できるもので、これを労働契約とみなすと、 結果的に使用者の決定を追認することになる」と、慎重な検討を求める声が相 次いだ。 また、使用者側からは「労働時間法制と、以前からの課題である解雇の金銭 解決を先行して議論したい」との意見が出たが、労働契約全体の検討の中で審 議すべきだという意見が大勢を占めた。 |