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『山梨日日新聞』2006年3月29日付

県立大の独立行政法人化を来年度検討
病院や研究機関への法人制度導入も探る


 山梨県は二十八日、県立大の独立行政法人化に向けて二〇〇六年度、財政面
や人事体制などの課題について具体的な検討に着手することを明らかにした。
法人化の移行時期は「看護大、同大短期大学部の学生が卒業した以降が妥当」
とし、今後の検討課題とした。病院事業など四分野の公的機関についても独立
行政法人制度導入を検討する方向を打ち出した。

 独立行政法人制度は、地方公共団体とは別の法人を設立し、業務の効率性や
質の向上を図るのが狙い。県は庁内研究会を設けて五分野十七の公的機関につ
いて制度導入の可否、問題点などを検討してきた。

 県立大については全国的に公立大の法人化が進んでいる状況を踏まえ、「独
立行政法人に移行し、大学運営の自立性を高めることは一般論として有効」と
判断。「法人化に向け、財政面や人事体制など課題について実態に即した検討
を行う」とした。

 制度導入の問題点としては、(1)統合したばかりで組織体制が落ち着くま
でに時間が必要(2)特許権を持っていなかったり、病院などの付属施設がな
いため外部資金の活用がどの程度見込めるか未知数(3)国の高等教育政策や
知的財産権、外部資金制度の動向の見極めが必要−などを挙げた。

 このほか県立中央、北両病院の病院事業については地方公営企業法の全部適
用に向けた検討と合わせ、独立行政法人制度導入の可能性も検討する方針。総
合理工学研究機構など試験研究機関は来年度のやまなし科学技術基本計画策定
とともに、同制度の活用も具体的に検討するとした。

 企業局の電気事業は、地域振興事業に約六十六億円を貸し付けている状況な
どから、「将来的な独立行政法人制度導入の可能性も検討する」、社会福祉事
業は「業務の民間委託などを含め幅広い観点から検討する」とした。