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『朝日新聞』2006年3月29日付

国家公務員採用「2〜4割抑制」 10年度まで政府方針


 政府は28日、国家公務員の総人件費削減のため、10年度までの4年間で
新規採用を毎年2割以上抑制する方針を固めた。合理化目的の公務員の解雇は
難しく、新規採用を抑えて、配置転換の受け皿を作る。旧国鉄の余剰人員受け
入れの際、87年度採用から計4年間、採用枠の14%以上を空ける閣議決定
をして以来、20年ぶりの大規模な新規採用抑制策になる。

 中馬行政改革担当相が同日、首相官邸で小泉首相に対し、新規採用抑制を
「2〜4割」とする方針を報告、了承された。政府の行革推進本部(本部長・
小泉首相)が31日、「配置転換、採用抑制等の枠組み」として決める。6月
に各省ごとの純減数を閣議決定する際、この枠組みも盛り込むことを目指す。

 新規採用は、例えば04年度の場合、交流人事を除き約9300人。「キャ
リア官僚」を含む一般行政職を中心に、10年度まで4年間の抑制で、計数千
人の抑制を目指す。

 治安や安全にかかわる分野は、抑制の対象外にする。海上保安官や航空管制
官、看守などを検討しているが、範囲をどこまで広げるか決まっていないため、
全体の抑制幅も「2〜4割」とした。

 各省一律の抑制幅を検討している。定員純減による配置転換者の受け入れ負
担を平等にするためだ。ただ、配置転換による職場環境の変化に配慮した異動
を進めた結果、各省ごとの抑制幅に差がつく可能性もある。

 政府は10年度までに事業の縮小や民間委託を進め、定員を5%(約1万6
000人)以上純減する方針。うち独立行政法人への移行による非公務員化が
固まったのは約6000人にとどまる。