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『朝日新聞』2006年3月29日付

民主の公務員制度改革、人件費「3年で2割減」


 民主党の公務員制度改革等調査会(渡辺周会長)は28日、「国の事業の見
直しと公務員制度改革に関する基本的な考え方」をまとめた。労働基本権の回
復を盛り込み、国家公務員総人件費を3年間で2割以上削減することを明記し
た。29日にも正式決定する。

 公務員制度改革は「脱労働組合依存」を掲げる前原代表の重点政策の一つ。
国と地方の事業分担を示す「分権革命ビジョン」と合わせて行政改革関連法案
にまとめ、行政改革推進法案の対案として今国会中の提出を目指す。政府案で
は行政機構の整理・合理化によって行政経費を抑制していくのに対し、民主党
案は国と地方の役割分担を見直すことで行政経費の抑制を図ることが特徴だ。

 政府案が「10年度までに5%以上純減」と定めた国家公務員の定員につい
て、民主党案で数値目標は示さなかった。一方、国の事業を見直すことで国家
公務員の総人件費を「3年間で2割以上削減することが可能」と記し、「対国
内総生産額比で2分の1に近づける」とする政府案より目標を明確にした。

 「3年間で2割以上削減」は、民主党が昨年の総選挙のマニフェスト(政権
公約)で掲げた。党内には「マニフェストは国民の支持が得られなかったので
無効だ」(労組系議員)などと数値目標に反発もあるが、「民主党案の肝」
(政策担当者)として、明記する方向となった。前原代表は28日の記者会見
で「マニフェストに明記した意味は重い。最終的にはそれ以上の削減は可能だ
と思う」と強調した。

 具体的な事業見直しや行政組織・定員の中身については、政権獲得後に新設
する「行政刷新会議」が18カ月以内に決定することとしている。政府案につ
いては、地方分権が不十分なことを指摘し、「小泉政権は地方分権を事実上放
棄したと言ってよい」と批判している。