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『北國新聞』2006年3月29日付

北陸先端大が年俸制 国立大初 世界的科学者招聘へ役員並み待遇


 北陸先端科技大学院大は四月から、国立大では初めてとなる教員の年俸制を
導入する。法人化後も縛られ続ける公務員に準じた給与体系を見直し、世界的
な研究者を学長・理事ら役員と同等ないしは、それ以上の待遇で招聘(しょう
へい)できるようにする。国立大でも人件費の削減が進む中、海外では当たり
前の年俸制を取り入れて優れた人材を確保する。

 年俸制は新設の特別招聘教授に適用し、金額は年収千百万円以上を目安に、
研究者の業績や北陸先端大での教育研究の内容を基に学長が決める。任期は定
めないが、三年ごとに学長が業績を評価し、年俸に反映させる。

 北陸先端大によると、国立大ではこれまで、国などのプロジェクト研究や企
業などの寄付講座で年俸制が取り入れられていた例はあるものの、学長が業績
を評価し年俸を決定するという大学主導の仕組みは見当たらないという。

 国立大は二年前に法人化し、給与はそれぞれの大学で決められるようになっ
た。しかし、実際には教育職国家公務員の給与に準じて決定しているのが一般
的で、海外の大学や民間企業から優れた研究者を登用する場合、給与水準の低
さが障害の一つとなっていた。

 北陸先端大は「コスト削減に取り組む一方、教育研究の高度化をリードし、
学生の向学心を刺激するような教員の確保には積極的に資金を投じていきたい」
としている。