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『毎日新聞』山梨版 2006年3月28日付

大月市:大月短大と付属高校、地域貢献理由に「当面存続」−−各審議会答申


 少子化により志願者が減少している大月市立大月短大と同短大付属高の存廃
を協議してきたそれぞれの「基本問題審議会」は27日、西室覚市長に答申を
行った。両審議会とも、「財政問題など厳しい状況にある」としながらも地域
への貢献などを理由に当面は存続させるべきだとして存続に向けた活性化案を
あげた。同市は存廃を含め協議する方針。

 同短大基本問題審議会(会長・早川源山梨総研専務理事)は、同短大が全国
の大学・短大の約3割が定員割れをしている現状で、同短大は一度も定員割れ
をしておらず4年制大学への編入率が3割を超え、03年に山梨総研が行った
調査では企業からの評価が高かったことを存続の理由にあげた。中学生を対象
とした勉強サポートなどで中心街のにぎわいに貢献していることも存在意義の
一つに指摘した。

 また、今後の方策として▽近年人気の低い経済単科を改め、学科再編を早急
に行う▽土地や施設等を共有している付属高校を分離移転する――などを挙げ
ている。しかし、2年以上連続して定員割れが発生した場合は審議会を設置し
存続に関して検討を行うとした。

 また、同高基本問題審議会(会長・長沼貞雄元中学校長)は、高校運営の最
低規模といわれる定員150人が確保できなければ閉校の可能性も含めた対応
も必要だと厳しい見解を示した。高校存続に向け、指定管理者制度を導入した
「公設民営化」や、近隣市町村との組合立化、商業科や看護科などの専門学校
化――などを案に挙げた。

 活性化策として▽ネームバリューのある特別非常勤講師を年2〜3回招く▽
全国レベルの文化部、体育部を1〜2年程度育成強化する――などとした。

 西室市長は取材に「設置者として歴史のあるものを残したいという気持ちは
ある一方、市の財政状況など問題も山積みだ」と複雑な表情で話した。【藤野
基文】