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NHKニュース(詳報) 2006年3月24日付

非常勤の雇用継続拒否は不当


 国立の研究所に勤めていた非常勤の女性公務員が、採用任期は1年ごとであっ
ても毎年更新して14年間も働いてきたのだから、突然解雇されたのは不当だ
と訴えた裁判で、東京地方裁判所は「長年勤めた職員を道具を取り替えるよう
に雇用を打ち切るのは許されない」と指摘して、研究所側に雇用を続けるよう
命じました。

 この裁判は、学術情報の収集などを行っている「国立情報学研究所」で非常
勤の職員として働いてきた女性が、3年前に突然解雇されたのは不当だと訴え
ていたものです。女性は「採用任期は1年ごとであっても、毎年更新して14
年間も働いてきたのだから、突然打ち切るのはあまりに一方的だ」と訴え、研
究所側は、雇用を続けるかどうかは権限の範囲内であって解雇も許されると反
論していました。24日の判決で、東京地方裁判所の山口均裁判官は「非常勤
の職員を雇い続けるかどうかについて研究所の方針もあるとは思うが、長年勤
めた職員を道具を取り替えるように扱い、雇用を打ち切るのは許されない」と
指摘し、研究所側に雇用を続けるよう命じました。女性の弁護士によりますと、
非常勤の公務員が任期が切れたことを理由に解雇された場合に裁判所が解雇を
無効だと判断する判決はきわめて珍しいということで、女性は「ほんとうにう
れしい。同じ立場の人たちの雇用の確保につながってほしい」と話していまし
た。