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『北國新聞』2006年3月14日付

バラバラ同窓会を一本に 金大、母校愛を呼び覚ます 卒業式招待も


 金大は今夏までに、学部ごとにバラバラだった同窓会を一本に束ねる全学同
窓会連絡協 議会を結成し、希薄だった同窓生とのつながりを構築する方針を固
めた。法人化に伴ない 改革に奮闘する金大の姿を知ってもらうことで同窓生の
「母校愛」を呼び覚まし、物心両 面での支援を訴えていく構えだ。手始めとし
て二十二日の卒業式に開学以来初めて同窓会 席を設け、キャンパス見学も企画
した。

 金大は同窓会の全学組織化を二年前に計画。全部で十以上ある同窓会の代表
を集めた関 係同窓会代表者等懇談会を開き、代表者らへの広報誌を配布やホー
ムページ開設などで準 備してきた。並行して同窓生側も東京を中心に幾つかの
同窓会が合同で総会を開くなど連 携が生まれ、会員が高齢化した旧制四高同窓
会からは引き継ぎを求める声が上がるなど、 全学組織化への機運が高まった。

 先月開いた代表者懇談会で、大学側が提案した会則案を基に全学同窓会連絡
協議会を結 成することを申し合わせた。

 金大をはじめ国立総合大学は、学部ごとに設立の歴史や前身校が異なるため、
それぞれ に同窓会が設けられていた。同窓会ごとの温度差もあり、大学と同窓
生との関係は希薄。 最大の応援団であるはずの同窓生が大学の支援に力を発揮
する場面はあまりなかった。

 一方、早大や慶大など全学的な同窓会を伝統的に整備している私大は両者が
緊密に連携 し、都道府県支部で毎年集まったり、同窓生に刊行物を配布したり
している。大学の姿勢 を説明し、同窓生の意見も聴きながら、支援を求めてい
る。

 法人化や少子化で大学間競争が激化する中、金大も同窓生との関係づくりに
本腰を入れ 始めた。同窓生も大学を構成する一員と位置付け、同窓会を通じて
醸成する母校愛に裏打 ちされた意見を聴くことで、社会の要請をくみ取る狙い
もある。

 中村信一副学長は「同窓生の支援を受けるには金大卒を誇りにしてもらえる
大学にする 努力も必要だ」と話している。二十二日に金沢市観光会館での卒業
式に同窓生席を用意し 、最新設備の角間キャンパスを案内する。