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『毎日新聞』2006年3月14日付

私大入学費:保護者の「借り入れ」 平均166万円


 私立大の入学費用を5世帯のうち1世帯が「借り入れ」し、その平均額は1
66万円に上ることが、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の
家計負担調査で分かった。調査を始めた85年度以降、過去最高。保護者の苦
境を反映してか、平均仕送り額も10万1400円と5年連続減少。家賃を除
いた学生の生活費も10年連続減少して86年度以来最低の4万2700円
(1日当たり1423円)となった。

 調査は昨年5〜6月、早稲田大、中央大など関東地方の22私立大学・短大
の新入生家庭、計3万2000世帯にアンケートを郵送して実施した(回収率
12.9%)。

 自宅通学に比べ負担の多い自宅外通学の場合、受験費用24万円▽敷金・礼
金21万円▽初年度納付金131万円▽生活用品費33万円▽4〜12月の仕
送り96万円など入学の年にかかる費用は計310万円で、世帯の平均税込み
年収の3割を占めた。4人に1人が入学費用を借り入れし、平均額は193万
円。自宅通学の平均借入額は135万円だった。

 受験から入学までの費用の負担感について、世帯の90%が「重い」と回答。
アンケートからは「働いても働いても教育費に持っていかれる」「金がないか
ら希望する大学に行かせられないとは、親として言えない」など、苦しみなが
らも教育費を捻出(ねんしゅつ)する様子が浮かんだ。

 東京私大教連は「学生はアルバイトを前提にしないとやっていけない状態。
父母・学生の負担軽減のため、学費直接助成制度などの実現が必要だ」と支援
を呼びかけている。【長尾真輔】