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『北陸中日新聞』2006年3月7日付 信大農学部に産学連携拠点 健康食材ビジネス後押し 農の産学連携の拠点となる「食料保健機能開発研究センター」が四月、信州 大農学部(南箕輪村)にオープンする。企業が大学の大型分析機器を利用でき る一方、大学も企業から研究の仕事を受ける。互いの交流から共同研究も生ま れ、新たなビジネスを創造する場として期待が高まっている。 (占部 哲也) センターは、地元産業の活性化と独立法人化による自己資金調達の役割も担 うため、同学部が研究棟一階の四百十一平方メートルを改築。学部内に分散し ていた二十一の大型分析機器を集中させた。得意とするバイオサイエンスや病 気のリスクを軽減させる機能性食品を中心に六つの分析室や、共同研究を進め るオープンラボ室もつくった。 センター長を務める大谷元教授は「健康食材の市場はまだまだ拡大する。信 州を代表するリンゴを含めキノコや漬物などにはまだまだ隠れた成分や機能が ある。食品を扱う企業や農家は新たな付加価値が付けられる」と利用価値を強 調する。 分析機器の利用は安価に設定。高額な分析機器を購入できない中小企業には 利用しやすくした。専従二人を含む十六人の教員が機器の使用方法を指導し、 分析結果を元に植物の栽培方法などを助言するのも強みだ。逆に交流を通して、 企業が教員に専門的な分析委託、共同研究を持ちかけることもできる。 同学部の運営懇談委員を務める伊那食品工業(伊那市)の塚越寛会長は「南 信地方には大きな研究所が少ないのでとても貴重。教授らのノウハウを学べる のも魅力的だ」と期待を込める。 昨年、県内企業を回った唐沢豊学部長は「企業から大学に寄せられる期待は 大きかった。産学連携による県内産業の活性化の重要な一歩になる」と意気込 む。 問い合わせは、同学部=電0265(77)1518=へ。 |