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『読売新聞』2006年2月25日付

公務員削減、国交省は目標達成…法務・厚労が強く抵抗


 政府の「行政減量・効率化有識者会議」(座長・飯田亮セコム最高顧問)が
指定した公務員の総人件費削減に関する重点15分野のうち、法務、厚生労働、
国土交通の3省5分野の事業と職員の削減計画が24日、わかった。

 具体的な定員純減を明記しなかったり、予算面などでの条件づけをするなど、
省側の強い抵抗も浮き彫りとなった。削減計画は、国家公務員を5年間で5%
以上純減する政府方針に基づいて策定された。

 法務省は、刑務所や拘置所などの行刑施設について、2006年度から5年
間で民間委託を現行の617人から1336人に増やし、新設の2施設でも職
員627人中290人を民間委託すると回答した。

 だが、刑務所新設に伴う必要職員の一部を民間委託し、職員数の伸びを抑制
するだけの内容で、公務員純減の要請には応えていないものだ。同省は「犯罪
増加で受刑者は増えており、職員数はむしろ増加する」としている。

 杉浦法相は24日の記者会見で、「民間人材派遣会社があるからハローワー
クは民営化してもいいし、社会保険庁は解体しろと国民が怒っている施設だ。
同列に扱われるのは心外だ」と人員削減を求められることに不満を示した。

 行政改革推進事務局も、公権力を行使する刑務官約1万7000人は削減対
象外とする方針だ。しかし、行刑施設には医療・行政職員などが約1000人
おり、同事務局は「純減できる部分もある」と指摘している。

 厚労省は、国立高度専門医療センターの独立行政法人化を容認すると回答し
たが、交付金や人員を充実させることを条件としている。ハローワークと労働
保険関係を合わせた約1万7000人のうち、約1000人削減するとした。

 社会保険庁についてはすでに決まっている改革内容を盛り込んだだけで、新
たな純減目標は示さなかった。国土交通省は北海道開発局で400人、約6%
の純減を行うと回答し、有識者会議の要求を満たした格好だ。