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『中日新聞』2006年2月22日付

名大「基金」目標200億円 国立大で最大級


 大学間競争を勝ち抜くために安定した財政基盤をつくろうと、名古屋大が三
月、「名古屋大学基金」を創設する。目標は全国の国立大では最大級の二百億
円。萌芽(ほうが)的な研究の支援、優秀な学生への奨学金、外国の大学との
研究交流支援、産学連携研究への助成などに充てる。募集を推進する「支援会」
の会長には、トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長が就任する。

 支援会には豊田氏のほか、岡田邦彦・松坂屋社長、柴田昌治・日本経団連副
会長、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長ら名大OBの財界の大物が委員として名を
連ねる。

 基金への寄付は、法人や団体、個人を対象に一口一万円から募る。現金のほ
か土地や建物なども受け付ける。寄付者は税制上の優遇措置が受けられる。一
定規模以上の寄付者は名前のプレートを豊田講堂ホールに掲示することも検討
している。

 二〇〇四年度の名大の収入は約七百八十億円。うち国からの運営費交付金が、
ほぼ半額の三百六十二億円に達する。国立大は、法人化で運営費交付金が毎年
1%ずつ削減されるため、各大学はコスト削減や外部資金の獲得を迫られてい
る。

 平野真一学長は「名大を一層活性化するには、優れた研究者や学生を引きつ
け、存分に力を発揮できる研究、教育環境を整える必要がある。将来の安定し
た基盤整備のために基金を活用したい」と話している。

 法人化後、各国立大は基金創設に乗り出している。東京大は〇四年十月に設
立。創立百三十周年になる〇七年度に向け、百三十億円を目標に掲げる。〇七
年で百周年の東北大も記念事業として五十億円を目標に募金を集め、その一部
で基金を創設する計画だ。