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『日本海新聞』2006年2月16日付

新年度から優秀者の授業料免除 鳥大


 学生の学ぶ意欲を高めるため、鳥取大学(鳥取市湖山町南四丁目、能勢隆之
学長)は新年度から、優秀な成績を収めた学部生と大学院生の授業料を全額免
除する。学業優秀な大学院生を対象に、入学料を半額免除する制度も新設。計
約百十人が対象となるため、鳥取大では年間約五千万円の収入減となるが「本
業の学業をしっかりとやってもらえる」と期待している。

 国公立大学の授業料免除制度はこれまで、文部科学省が経済的困窮度の高い
学生のみを対象にしていた。二〇〇四年四月の法人化に伴い、基準が撤廃され、
各大学の裁量で自由に制度を導入できるようになった。

 鳥取大で授業料免除の対象になるのは、二年次以上の学部生約六十人と修士
課程の大学院生約三十人。四学部合わせて計十七学科あり、一学科で一人程度
の狭き門となるが、半期ごとに対象を選考する。学部生と大学院生ともに、半
期の授業料二十六万七千九百円を免除する。

 対象者の選考方法は、直前半期の履修科目の平均成績や学習状況などを考慮
して、各学部長が推薦、それを受けて能勢学長が最終決定する。

 一方、大学院生の入学料については、対象は修士課程と博士課程合わせて約
二十人。入学料二十八万二千円の半額十四万千円が免除され、同じ方法で選考
する。

 この制度は、少子化で大学志願者数が合格者数を下回る「大学全入時代」に
なるのを控え、本業を充実させて優秀な人材を育成するのが大きな狙い。同様
の制度は、全国の国公立大学でも広まっており、山口大ではすでに本年度から
実施、島根大と広島大も新年度から創設を考えているという。

 同大学学生部生活支援課は「学習環境を良くすることにつながり、好成績を
収めた学生にメリットを与えることで、学業に真剣に取り組む。目標を持って
制度にチャレンジしてほしい」としている。