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『読売新聞』2006年2月15日付

研究不正に罰則、科学技術会議が導入要請へ


 科学研究への信頼を損なう論文の不正を排除するため、政府の総合科学技術
会議(議長・小泉首相)は、研究費を配分する文部科学省など中央省庁と、受
け取る側の大学・研究機関の双方に厳格な対応を求める方針を決めた。

 各府省には研究不正への「罰則」導入を要請。2007年度予算の概算要求
前に、整備状況をチェックする。一方、大学・研究所には「不正防止規定」の
作成を義務づけ、規定のない研究機関からの申請は認めない。28日の同会議
本会議で決定する。

 科学研究費補助金など文科省所管の競争的研究資金3600億円では、罰則
導入の検討が、他に先駆けて始まっているが、同会議は政府一丸の取り組みが
必要と判断。今夏までに各府省が制定することになった。

 不正を行った研究者の研究費停止や、研究費への応募停止が柱となる。同会
議は、2007年度分研究費の公募要領に罰則を明記するよう指導する。

 競争的研究資金は1府7省で今年度4600億円にのぼる。罰則対象はこれ
以外に、国家プロジェクトによる委託研究や大学、研究所への運営費交付金の
一部にも広げる見込み。3兆6000億円にのぼる国費研究の多くに、不正対
策の網がかかることになる。同会議はまた、大学や研究所に内部告発の窓口設
置や、不正疑惑に対する調査・処分手続き規定の制定を義務づける。