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『朝日新聞』2006年2月14日付

公務員削減、看守業務など対象外


 政府は、国家公務員の定員純減の重点分野に含めた「行刑施設関係」につい
て、その大半を占める刑務所などの看守業務を対象外とすることを決めた。杉
浦法相が10日の閣僚懇談会で、刑務所の過剰収容などを理由に定員抑制に反
発したのを受けてのことだが、政府内からは「今後は各論反対が広がる可能性
がある」(内閣官房幹部)と他省庁への波及を心配する声が上がっている。

 3月に政府が国会に提出する行政改革推進法案に、看守業務を対象外とする
趣旨を盛り込む方針。「受刑者への公権力の行使にあたる」とする法相の主張
を受け入れるもので、削減対象は事務や庁舎警備など民間委託がすでに始まっ
ている仕事が中心となる。

 政府は昨年末、10年度までに国家公務員を定員の5%以上純減させること
を閣議決定した。このうち行刑施設関連の業務については、10日に公表した
行革推進法案の概要のなかで「民間にゆだねることの適否を検討し、必要な措
置を講ずる」としている。

 だが、この関連業務にあたる約1万7000人の定員のうち、刑務官などが
95%を占め、その大半が看守業務に携わっている。10日の閣僚懇談会では、
異を唱えた杉浦氏に中馬行革担当相が「そこまで踏み込むつもりはない」と語っ
た。