新首都圏ネットワーク
  トップへ戻る 以前の記事は、こちらの更新記事履歴

『産経新聞』2006年2月9日付

行革推進法案概要判明 公務員5%超純減 民間使い経費抑制


 政府が今国会での成立を目指す行政改革推進法案の概要が八日、明らかになっ
た。公務員のリストラについては、今年度末の国家公務員数(定員六十八万七
千人・日本郵政公社職員を除く)を「二十二年度末までに5%以上、純減させ
ることを目標とする」と明記。総定員ではなく、自衛官など定員割れしている
「実数」を基準に削減を図る姿勢を打ち出した。政府は十日に行政改革推進本
部(本部長・小泉純一郎首相)を開き、概要を了承したうえ、三月上旬の国会
提出に向けて法案化作業を加速させる。

 概要では、行政改革の目的を「小さく効率的な政府を実現するため」と規定
した。政府の業務を可能な限り民間に委ね、経費を抑制し国民負担の上昇を抑
えることが基本理念にあると明記。首相を本部長とする行政改革推進本部を五
年間の期限付きで設置するとともに、地方行革の推進も盛り込んだ。

 主な改革事項は、(1)政府系金融機関(2)独立行政法人(3)特別会計
(4)総人件費(5)資産・債務−の五点。


 特別会計については、「新設は特に必要があると認められる場合を除き行わ
ない」と制限。既存の特別会計についても「おおむね五年ごとに存続の必要性
を検討する」よう法整備することを盛り込んだ。政府系金融機関改革では、平
成二十年度中に新たな一政府系金融機関を設立させ、業務は「国民大衆、中小
企業者および農林漁業者の資金調達の支援、重要な資源の海外における確保」
などに限定する。民営化する日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は、二十年
度から五−七年の間に政府出資をなくし完全民営化するとしている。

 これに関連して、政府の行政減量・効率化有識者会議(座長・飯田亮セコム
最高顧問)は八日の会合で、国家公務員の5%純減実現のため、既に削減の検
討対象となった農林統計など八分野に加え、気象庁、国土地理院、自動車登録、
登記・供託、国有財産管理、労働保険、官庁営繕の七分野を検討対象に追加し
た。

     ◇

 ■行革推進法案の骨子

 ・国、地方自治体には、小さく効率的な政府を実現するための行政改革を推
進する責務がある

 ・平成20年度に現行政府系金融機関を再編し、新機関を設立する

 ・特別会計改革は、18年度から5年間をめどに計画的に推進する

 ・17年度末時点の国家公務員数の5%以上相当を、22年度末までに純減
させる

 ・公務員制度改革、規制改革、競争導入による公共サービス改革、公益法人
制度改革などとの連携を図る