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『河北新報』2006年2月7日付

東北大学 吉本学長退任へ 今期限り、突然の表明


 東北大の吉本高志学長(63)は6日、任期満了(11月5日)の今期限り
で学長を退く意向を固めた。同日の理事・副学長会議で意思を明らかにした。
学内では昨年末から、次期学長の選考作業がスタート。制度上、吉本氏の続投
は可能で、有力候補の一人とみられていただけに、突然の勇退表明は波紋を広
げそうだ。

 関係者によると、吉本氏は会議で「11月までは全力投球したい」と述べた。
規定では再任の場合、任期が2年となり、「(6年ごとの)大学の中期目標・
計画を立てる上で重要な時期に交代することになってしまう」などと理由を説
明した。

 東北大は2004年4月、独立行政法人に移行した。移行作業が順調に進み、
07年には大学創立100周年を迎えることから、新たなトップによる大学運
営が望ましいと判断したとみられる。吉本氏は秋田市出身、東北大医学部卒。
東北大学病院長、大学院医学系研究科長・医学部長などを経て、02年11月、
学長に就任。医学部長時代などに公立病院から現金を受け取っていた金銭授受
問題で批判を受け、辞任を求める声も上がっていた。

 従来、国立大の学長は教員の投票で選ばれてきたが、法人化後は学内外の委
員でつくる「学長選考会議」に委ねる方式に変更された。東北大の選考会議は
3月20日まで学内で候補者を募り、夏にも新学長を決定する。