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『産経新聞』2006年2月2日付

国会図書館、独法化へ 自民行革本部、国会改革の目玉に


 自民党行政改革推進本部(衛藤征士郎本部長)は1日、国立国会図書館の独
立行政法人化を求める方針を決めた。政府の公務員総人件費削減に合わせたも
ので、行政機関よりも遅れている国会(立法機関)の改革を進めるための目玉
に位置づける。9日に総会を開き、国会図書館の独法化を含めた国会改革案の
了承を得る方針。その後、公明党や野党の協力も得ながら、平成19年度から
順次実現させたい考えだ。

 「日本唯一の国立図書館」とうたわれている国会図書館の本来業務は、国会
議員の立法、調査活動の補佐。だが、このほかにも資料の収集、整理や一般へ
の閲覧などの司書業務も行うだけでなく、最近は国会議事堂隣の本館に加え、
京都府精華町に「関西館」、東京都台東区に「国際子ども図書館」が相次いで
開館した。このほか電子化にも取り組むなど、「副業」の拡大が顕著になって
いる。

 行革本部では文化庁の機関だった国立美術館・博物館などが独法化している
点に着目し、国会図書館も同様に独法化させるのがふさわしいと判断した。独
法化は国会職員の非公務員化と、不透明とされていた運営内容の情報開示を促
進するのが主な狙いだが、問題視されていた副業拡大を自由に行えるメリット
も生まれてくる。

 党行革本部の国会改革案ではこのほか、当面の方針として国会職員(約41
00人)を今後5年間で10%削減する。その上で、警備、運転業務の民間委
託▽衆参両院にある法制局の統合▽委員会の審議運営を担う「委員部」と法案
調査を担う「調査室」の統合▽各部署で分かれていた会計経理の一本化−など
を進める。

 公務員の総人件費削減は昨年末に閣議決定された「行政改革の重要方針」に
盛り込まれた。行政機関の国家公務員には「今後5年間で5%以上の純減」の
下、政府で具体策が検討されている。国会職員の削減については小泉純一郎首
相が党に検討を指示していた。



【用語解説】独立行政法人
 各府省の政策実施部門のうち確実に実施される必要はあるが、国が直接実施
する必要はない事務や事業を分離して、独立の法人格を与えた機関。中央省庁
再編に伴い、平成13年4月に研究所や大学など教育機関などを中心に発足。
平成17年10月現在で116法人が設置されている。