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『朝日新聞』2006年2月1日付

成績優秀な学生 広大が学費優遇 新年度から奨学制度   


 広島大学(牟田泰三学長)は新年度から、成績が優秀な学生の学費を優遇す
る奨学制度を導入する。学部の新入生から大学院生まですべての学生が対象。
私立大学では同様の制度が広がっているが、国立大学法人がすべての学生を対
象にした奨学制度を導入するのは全国でも珍しいという。 

  大学間の競争激化/「囲い込み」の狙いも

 名称は「エクセレント スチューデント スカラシップ」。新入生の場合、
入試の成績上位者計約50人を全学部から選び、返還が不要な奨学金20万円
を支給する。50人に1人の割合になるという。学部2年生以上は前年度の成
績を見て、計約80人の後期分の授業料(2005年度、26万7900円)
を全額免除する。大学院生も同様に約80人の後期分を免除する。

 2004年4月に国立大学法人になったことを機に予算の裁量権が広がった
ことで実現した。広島大は学生の勉学意欲の向上などを導入の理由にあげるが、
少子化で大学間の競争が激化する中で優秀な学生を囲い込みたいという狙いも
ある。

 ほかの国立大学法人では、山口大が今年度から学部生を対象に授業料免除の
制度を導入した例などがある。

 広島大学生総合支援センターは「学生には奨学制度の獲得を目指して勉強に
励んでもらい、受験生には支援制度のある広大にどんどん挑戦してほしい」と
説明している。