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『中国新聞』2006年1月31日付 山口大医学部が入試に地域枠新設 ▽07年度推薦入試 地元医療希望者 山口県内の医療体制の充実を図るため、山口大は三十日、医学部医学科の推 薦入試に二〇〇七年度から、将来地元での医療活動を希望する十人の入学枠を 新設する、と発表した。地域枠は、私立を含め医学部のある全国八十大学のう ち、〇六年度入試までに計十五大学が導入または導入を予定しているが、十人 以上は中国地方で初めてとなる。 地域枠は、県内高校卒業後一年以内の受験生が対象。県外の高校からでも、 保護者が三年以上県内に在住していれば対象に含まれる。全体で二十人ある推 薦枠の十人を充てる。センター試験を経て、面接、内申書などで合否を決める。 同大は県に奨学金制度などの支援を求めている。 同大医学部医学科では、定員九十五人のうち、例年二十人前後が県内出身者。 その約七割が県内の医療機関に就職しているが、全体では半数が県外に出てい る。〇四年度から卒後臨床研修が必修となり、研修医の県外流出が目立つ上、 若い医師の都会志向などが背景にある、という。 これまでに十人以上の地域枠を導入しているのは、弘前、香川、宮崎の三大 学だけ。山口大の石原得博医学部長は「地域医療に貢献する意欲ある人材を安 定的に確保し、県外への流出傾向を抑えたい」と話している。(有岡英俊) |