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『中国新聞』2006年1月25日付

中国整備局、広島大と連携協定


 中国地方整備局は二十四日、全国の地方整備局として初めてとなる大学との
包括的連携・協力協定を広島大との間で結んだ。官学の共同研究や開発体制な
どを早期に確立し、今後の社会資本の整備や地域活性化に活用するのが主な目
的。本年度末までに、広島大を含めて中国五県の六大学との協定締結を目指す。

 従来の官学連携は、テーマごとの単発的な共同研究、各種委員会や審議会へ
の相互参画が中心だった。連携協定によって日常的な情報交換と組織的な人的
交流を促進。継続的な共同研究などを通じ整備局は、公共事業のコスト縮減▽
品質の向上▽新技術の開発・導入―などを進める。

 広島大との包括連携は(1)安全・安心(2)歴史・文化(3)自然・環境
(4)経済の活性化(5)技術開発―の分野で計画。調印式はこの日、東広島
市の広島大であり、甲村謙友局長と牟田泰三学長が、組織的で広範囲な情報交
換や連絡体制の構築など盛り込んだ協定書を交わした。広島大が民間などの外
部機関と結ぶ連携協定は二十三件目だが、国の機関との締結は初めて。

 甲村局長は「これまでは課題を抱えて急きょ大学にお願いすることが多かっ
た。今後は、互いが抱える課題を共有し連携したい」。牟田学長は「整備局と
の協力は主として工学系に限られていたが、必要とされる分野で幅広く連携を
進めたい」と述べた。

 整備局は山口大、岡山大、島根大、鳥取大、広島工業大との協定締結の準備
を進める。各大学が得意とする研究分野と整備局の施策をすり合わせながら総
合的な連携を深める。(伊東雅之)