新首都圏ネットワーク
  トップへ戻る 以前の記事は、こちらの更新記事履歴

『大阪外大新聞』2006年1月21日付

<統合協議>学生対象に情報開示
現時点の大学院構想など明らかに


 是永学長と体育会の会談が1月20日に行われた。この際、資料による情報提供
が行われ、学生への情報開示が行われることとなった。資料は2006年1月16日付
の統合構想「骨格」や、新研究科・センターの構想などを含んでいる。なお、
学生向けの説明会の日程は、現時点で通知はない。
【1月21日 大阪外大新聞=UNN】

 配布された資料は、
・「大阪大学・大阪外国語大学統合構想(骨格)」(2006/1/16)
・「原則に関する合意事項(11月作成、1月5日修正)」(2006/1/5)
・「(主として言語に関する)新研究科および研究センター等について」(2006/1/17)
・「統合後の教育分担について」(2006/1/5)
・「言語関係研究科【言社部分】及び『世界言語研究センター(仮称)』案」(2006/1/19)
・「総合言語文化研究科」に関する資料
・「人間科学研究科」に関する資料
・経済学研究科内の新設を構想している「グローバル・マネージメントコース」
に関する資料(2006/1/19)
・文学研究科内の「文化動態論専攻案」(2006/1/17)
・「法学部国際政策学科(仮称)の教育プログラムと教員編成案」(2006/1/19)
・「国際協力センター(仮称)案」(2006/1/19)
・「大学教育実践センター」に関する資料
・「大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)の概要」
となっている。

 配布された資料は現在、学生協議会設立委員会のHP
(http://www.geocities.jp/gaikyou_setsuritsu/)で閲覧可能。

 いくつかの資料の記述を拾い上げる。

 統合構想の資料では、専門知識と外国語運用能力の融合による「国際的人材」
養成を目指す旨が主に記されている。また、議論が続いている言語文化研究科
(阪大)と言語社会研究科(外大)の再編に関しても言及。主に阪大の言語文
化研究科のスタッフから構成される「言語文化専攻」に加え、外大の言語社会
研究科のスタッフから構成される「言語社会専攻」を新たに新設する、として
いる。外国語学部に関する項目では、「外国語学部の地域文化学科と国際文化
学科を再編改組し、あらたに外国語学科1学科制とし、24外国語の教育をおこな
う。夜間主は社会人教育に特化しつつ再配置する」と記述されている。留学生
が関わる組織については、阪大の留学生センターと大阪外大の日本語日本文化
教育センターは「明確に異なる性格と機能をもつ学内共同教育研究施設として、
当面はそれぞれ独立して存続する」とする。

 原則に関する合意事項の資料については、11月時点で作成されたものと比較
し、項目(6)に「共通教育の企画・運営は、大学教育実践センターが行う」
という一文が追加された。「共通教育」に関しては、「統合後の教育分担につ
いて」の資料で、教育を行う場所は当面「新外国語学部→箕面キャンパス」と
されている。また、「専門教育」についても同様に「箕面キャンパス」で行わ
れる。ただし、将来的には「共通教育を行うキャンパスの一元化」を目指して
いる、とする。

 「統合後の教育分担について」では、項目3において「新阪大新外国語学部
の学生数は、旧外大旧外国語学部の学生数より、減少することとなり、…それ
に応じて、新阪大新外国語学部の教育に関わる教員数は、旧外大旧外国語学部
教育に関わってきた教員数よりも減員するものとする」と記述されていた。

●記者の目線
 大学院大学である阪大は、「統合即大学院重点化」の方針を採ることを既に
示している。統合構想の骨格として示された資料では、「人材輩出」に関わる
記述の多くが大学院関係で、学部レベルの言及は、法学部内の「国際政策学科
(仮称)」設置の案、第2外国語(英語を第1外国語と捉えた場合)の増加案の
みとなっている。英語を第1外国語としているような表現も「阪大の発想」のよ
うに見える。学部生、ことに「旧」外大学部生のカリキュラムと比較するとど
のようなメリットがあるのか、資料からは読みづらい。現在の学部生が統合後
の教育課程の影響を受けることはないが、学生に対して「大学院への進学を前
提」とする姿勢であるのか、学部教育の位置づけはどうなっているのか、明ら
かにしていきたい。
【入江敦央】