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『南日本新聞』2006年1月20日付

知的財産で地域貢献 鹿大シンポジウム
産学官連携の課題探る


 鹿児島大学主催の知的財産活用シンポジウムが19日、鹿児島市のかごしま
県民交流センターであり、大学、企業、行政の担当者ら約200人が参加。
「知的財産による地域社会への貢献を考える」のテーマで、それぞれの立場か
ら、産学連携の取り組みと課題などの発表があった。

 基調講演した特許庁大学等支援室の荒巻慎哉室長は、産学連携の実例を紹介
しながら「企業は大学が何を研究しているか、大学は企業のニーズは何かを把
握することが必要。行政も両者の出合いの場を広げるとともに、ネットワーク
を構築してほしい」と話した。

 事例発表では、鹿大と共同で研究開発を行う企業の代表者らが、産学連携の
メリットなどについて報告。蒸留器の開発などで鹿大と提携している薩摩酒造
の鮫島吉廣常務は「鹿大は総合大学の実力をまだ発揮しきれていない。これま
でわれわれのニーズで共同研究が進んだが、これからは大学からシーズ(種)
を提供してほしい」と指摘した。

 産学官の代表者らによる提言討議もあり、企業側からは「大学の理系学部に、
知的財産関係の法律や特許実務を必須科目として導入して」「産学連携を進め
る教員に正当な評価がなされていない」などの意見も出た。