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『長野新聞』2006年1月20日付

信州大学とセイコーエプソンが包括連携協定


 信州大学(本部・松本市)とセイコーエプソン(諏訪市)は19日、共同研
究、人材交流など多分野での相互発展を狙いとする包括連携協定を結んだ。国
内の大学との連携協定は同社としては初めてで、同大学の中長期的な基礎研究
機能を生かした技術環境の向上、商品開発の効率化が期待される。

 両者はこれまでも農、工ほか各学部における共同研究やインターンシップを
通して交流してきた。協定締結は、同大学が過去2年間で16件に上った同社
との共同研究実績などを基に、大学全体をカバーする連携強化を提案して実現
した。

 協定では、共同研究の契約条件を3年間固定。全学部に適用し、テーマに応
じた研究を進める。ほかにも▽定期的な技術交流会による研究テーマの発掘▽
同社からの非常勤講師派遣、学生のインターンシップ受け入れによる実務体験
型の教育支援▽エプソン国際奨学財団への奨学金指定校推薦―などの項目を設
けた。

 ともに重視する環境保護分野についても、研究および支援策を確認。農学部
が2002年に着手し、同社が資金や備品提供している、中国での荒廃地緑化
実証実験などを軸に、引き続き連携充実を図る方針。

 松本市内で行われた調印式では、同大学の小宮山淳学長が「世界最先端の研
究開発の中で、信大の知の資源が役に立てれば」と期待。同社の花岡清二社長
は、商品サイクルの短命化や価格競争の激化に触れ「企業が腰を落ち着けて研
究開発を行うのが難しい時代。基礎研究を信大に求め、実りある成果を生み出
したい」と述べた。