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知財情報局 2006年1月17日付

昨年度日本の科学技術研究費総額、過去最高の約17兆円


 平成16年度の日本の科学技術研究費総額は、前年度比0.8%増の16兆
9376億円(GDP比3.35%)と過去最高で、5年連続で増加した。こ
のうち自然科学に使用した研究費は15兆5999億円(0.7%増)で、全体
の92.1%を占める。総務省統計局は12月13日、科学技術研究調査の結
果を公表。研究費全体は伸びているものの、基礎研究への投資は若干減ってい
る。

 研究費で特に増えているのは開発研究で1.7%増、一方で基礎研究はマイ
ナス3.4%となっている。研究主体別では、景気回復を受けた企業等が11
兆8673億円(0.9%増)、大学等は3兆2740億円(0.3%増)、
非営利団体・公的機関1兆7963億円(0.8%増)となった。特に研究費
の伸びが大きな産業では、電子部品・デバイス工業(18.1%増)、機械工
業(8%増)、輸送用機械工業(4.4%増)がある。

 研究者数は79万900人で0.5%増、そのうち女性研究者は11.9%
で0.3%増加、さらに研究補助者等の数が6年ぶりに増加し21万9000
人となった。また、研究者1人あたりの研究費は2141万円で0.3%の増
加。

 大学等の研究費は、私立が1兆7178億円(2.8%増)、国立1兆36
77億円(3%減)、公立が1884億円(3.9%増)となった。分野別で
は、自然科学系が2兆478億円(0.2%減)、人文・社会系が8633億
円(2.2%増)。自然科学系部門での増減率を見てみると、理学は0.9%
減、工学0.9%減、農学4.4%増、保険1.8%増。自然科学に使用した
研究費を性格別に見ると、開発研究費が2%増、応用研究費0.5%増となっ
ているのに対して、基礎研究費は1.7%減っている。

 また特定目的のための使用した研究費を見てみると、ライフサイエンス75
16億円(1.4%増)、情報通信1356億円(3.1%減)、環境754
億円(11%増)、ナノテク・材料1089億円(5.6%増)、エネルギー
427億円(0.3%減)、宇宙開発46億円(17.4%減)、海洋開発1
23億円(21%減)。