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『山陰中央新報』2006年1月16日付

島根大で図書販売


 松江市西川津町の島根大で十五日、これまでは廃棄処分になっていた大学図
書館の専門書や全集など七千冊を市民に一律百円で販売する珍しい試み「図書
館蔵書リユース市」が始まった。貴重な本もあり、キャンパスはにぎわった。
十八日まで。

 昨春に同大が独立行政法人化され、蔵書の廃棄手続きが簡単になったことを
機に、毎年、一万冊近くを不要図書として廃棄処分していた同大図書館が、開
かれた大学をアピールするため初めて企画した。

 会場の大学会館には古典の風土記や日本書紀のほか、ラフカディオ・ハーン
集や百科事典、哲学書が並んだ。教育書が六割を占め、定価が三万円を超える
ものや絶版となった本も多いため関心を集めて、百五冊をまとめ買いした学生
もいた。

 委託販売した大学生協の福井章弘店長は「歴史的価値のある本や、他では手
に入らない貴重な本も多い。他では聞いたことがないユニークな取り組み」と
話していた。来年以降も開催する方針という。

 来場者には学生のほかに学校教員、住民の姿も見られ、夫婦で訪れた松江市
島根町の高校教諭山田和彦さん(53)は「本屋で手に入らない貴重な本が市
民に開放される良い試み。毎年やってもらいたい」と歓迎した。