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『読売新聞』2006年1月3日付

出産や育児で活動中断 女性研究者の復帰支援
奨励金 月36万円


 政府は、出産や育児で研究活動を中断した女性研究者らの現場復帰を支援す
る「特別研究員復帰支援事業」を創設する。研究者本人に毎月約36万円の研
究奨励金と年間150万円までの研究費を支給する。2006年度中に30人
を選んで支援を開始する方針だ。

 対象は、博士課程修了程度で、出産や子育てのため研究活動を中断した研究
者。大学や大学院のほか、独立行政法人など公的研究機関への復帰を希望する
人について、研究中断前の実績などを基準に選考する。支援期間は最長で2年
間。

 支援事業は、政府が05年12月に、出産・育児後の女性の社会復帰を促進
する目的で策定した「女性の再チャレンジ支援策」の一環。政府の男女共同参
画白書などによれば、女性研究者の6割以上の人が「出産・育児・介護などで
研究の継続が困難」と感じている。大学や研究機関の研究者の採用では、直近
の実績が重視されることが多く、育児などで数年間のブランクがある女性研究
者の再雇用には不利な状況がある。

 復帰支援事業は、研究を再開した研究者が実績を上げるまでの一定期間経済
的に支援し、採用側の研究所などに経費が削減できるメリットを与えることで、
再雇用を促す狙いがある。