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『朝日新聞』福島版 2005年12月23日付

福島大新学長に今野氏


 福島大の新しい学長を選ぶための選考会議が22日、福島市金谷川の同大で
開かれ、今野順夫副学長(61)が選ばれた。今野氏は、同大で開かれた記者
会見で「理工系大学院の創設を早急に進めたい」と抱負を語った。今野氏の任
期は来年4月から4年間。

 今野氏は、宮城県女川町出身。東北大大学院博士課程を中退後、秋田大助教
授を経て82年に福島大助教授に、88年に教授となった。02年から副学長
を務め、国立大学法人化や学内再編に向けた組織改革に携わった。専門は労働
法、社会保障法。

 今野氏は会見で、「今年4月に新入生を迎えた共生システム理工学類の学生
の卒業を待たず、大学院の創設を検討していく」と語った。県内の全市町村長
と大学の役割について話し合い、地域連携を深めることなども掲げた。

 今回、これまで学長選の投票結果だけで決めていた従来の選考から、外部の
委員も含めた選考会議が選ぶやり方に改めた。この日の選考会議では、今野氏
と、もう1人の候補、入戸野修・共生システム理工学類長(64)との間で選
考が行われた。委員12人が投票し、今野氏が10票、入戸野氏2票となり、
賛成多数で今野氏を選んだ。

 会議に先立って学内を意向を聴く2度の投票が行われた。21日の2度目の
投票では大学と付属学校の教職員501人のうち、467人が投票。今野氏が
231票、入戸野氏が230票を獲得。わずか1票差だった。

 票差がわずかだったことについて、今野氏は「今回の選挙で真剣な議論がな
された結果だと思う。今後学内の意見を広く聴いて、運営を進めていきたい」
と語った。