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『読売新聞』2005年12月17日付

国立大の施設整備、民間からの借り入れ限定解禁


 文部科学省は来年から、国立大学が学生寮や産学連携施設などを整備する際、
民間金融機関からの長期借り入れを解禁することを決めた。

 法人化した国立大の自主的な取り組みを促し、国の財政難にも対応するのが
狙いだ。これに併せ、文科省が一律に定めてきた学生寮の「標準額」も撤廃し、
自由な料金設定を可能にする。

 文科省は年末から年明けにかけて国立大学法人法施行令などの関係政省令を
改正する。

 国立大は昨年4月に法人化し、大学の裁量権などが拡大したが、国からの長
期借入金はキャンパス移転などに制限されている。また近年の財政難で補助金
による施設整備が進まず、大学側から民間資金導入を求める声が上がっていた。

 文科省としても、民間資金を導入することで大学側の自由度をさらに高め、
経営的な自立を促す狙いがある。施設整備に独自性を発揮することも、学生や
施設利用者へのサービス充実につながるとしている。

 民間融資の対象は、利用料など一定の収入が見込める学生寮や職員宿舎、動
物病院、産学連携施設などの整備に限定し、文科省の認可制とする。「今後の
実績次第では、対象範囲の拡大も検討する」(文科省幹部)という。

 国は債務保証を行わないことにしており、大学側が自力で返済する「自己責
任」に基づいた制度になる。金融機関から担保を求められた場合には、土地な
ど大学所有資産を提供することなどが想定されている。