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人勧準拠の不利益変更の可否を裁判で問う必要も

he-forum各位           12/16/05

         山形大学職員組合書記長 品川敦紀

平成17年度の人事院勧告を受けて、たぶん全ての国立大学執行部は、平成18年度から
給与の大幅切り下げを含む就業規則の不利益変更を実行しようとしていることでしょう。

こうした就業規則の不利益変更を行うに当たって、大学執行部は、「予算の多くを税金に
依存する以上、独立行政法人通則法の「社会一般の情勢への適合」のため、人事院勧告に
順じるのが当然だ」との主張を行っています。

繰り返しになりますが、それでは、独立行政法人通則が、国家公務員型の「特定独立行政
法人」の職員の給与と非公務員型の「その他の独立行政法人」の職員の給与の決定に当た
って、参考とすべき対象に区別を設けたのは、いったい何故なのでしょうか?その違いに
意味はないのでしょうか?

もし、「国立大学は、法人化しても予算の多くを税金に依存しているのだから、国家機関
の一部のようなものだ」とでもいうのであれば、いいたいなぜ、法人教職員は非公務員に
ならなければいけなかったのでしょうか?

私たち教職員は、いまさら有り難みの薄い国家公務員に戻りたいとは思いませんが、非公
務員になったことで、すくなくとも雇用保険料を余分に差し引かれるという不利益を被っ
ているので、その分の落とし前をつけて欲しいと思う次第です。

とはいえ、厚顔無恥な大学執行部(とりわけ天下り文部官僚)は、これからも、法人化以
前と何ら変わりなく、「お上が決めたことだから、つべこべいわず、黙って従え。労基法
なんか国立大学法人に通用しない。」とでもいうような傲慢な態度をとり続けていくこと
でしょう。

どこからどう考えても、いまの文科省と国立大学執行部の対応は、法律も国会答弁や付帯
決議を反古にした詐欺行為としかいいようがありません。

私は、この際、独立行政法人通則法の社会一般の情勢への適合を理由とした人勧準拠の一
方的不利益変更が許されるのか、裁判に問うべきではないかと考えます。

私自身は、もし私どもの大学において、給与の大幅切り下げを含む不利益変更が強行され
たならば、再来年、本来与えられるべき昇給が与えられなかった時点で、賃金の一部不払
いで労基署に告発し、差額の支払いを求めて訴訟を起こそうかと密かに考えているところ
です。

組合として組織的に裁判闘争を闘うのが一番ですが、かりにできなくても、有志を募って
集団訴訟を起こすことは検討に値すると思っています。