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『静岡新聞』2005年12月15日付

静大が過疎地推薦枠 教育学部 県内6高校対象


 静岡大は14日の全学教育研究評議会で、教育学部に来年度、県内過疎地の
高校から特別に学生を入学させる推薦枠「過疎地域枠」を設けることを決めた。
募集人員は2人。若い教員が不足する過疎地のため、地域で生まれた生徒を教
員に育て、地域に返す狙い。

 過疎地の医師や教員を育てるため推薦枠を作る取り組みは、国立大の法人化
を契機に全国的に広がっているが、県内では初めて。

 対象となるのは、国の過疎地域自立促進特別措置法で過疎地に指定されてい
る下田南高南伊豆分校、松崎高、土肥高、川根高、春野高、佐久間高の6校の
生徒。平成19年3月卒業予定者の来年度入試から開始する。

 学校長の推薦があり、卒業後は出身地の教員になる意欲を持つ、高校の学習
成績概評がA段階以上―などが出願の条件。各高校から2人以内の推薦者を募
り、小論文、面接、書類選考で合格者を決める。入学後は学校教育教員養成課
程で、教職免許を取得する。

 高校卒業生の都市部流出と若手教員の不足は、県内過疎地にほぼ共通する悩
み。同学部は地域貢献の観点から、若者を育て定着させる仕組みとして推薦枠
の検討を進めてきた。

 金井省二学部長は「地域を支える人材の育成は教育学部の使命。地元の教員
を志す若者が1人でも増えてほしい」と話した。