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共同通信配信記事 2005年12月14日付

国立博物館と文化研統合へ 文科省、質向上目指し


 文部科学省は14日、独立行政法人の国立博物館と文化財研究所を統合する
方針を固めた。今月下旬の政府の行政改革推進本部で最終決定する。統合時期
や現在、東京(国立博物館)と奈良(文化財研究所)に分かれている本部組織
の設置場所などは今後、検討する。

 統合は、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が11月にまとめた法
人再編案に沿った措置だが、財政難や行革を背景にした統合には平山郁夫東京
芸術大学長らが「安易に採算性を求める改革で、日本の文化芸術の衰退を危惧
(きぐ)する」と反対していた。

 統合では、博物館の保存修復部門と、文化財研究所の保存科学部門との連携
を通じて、両法人が収蔵する13万件に上る文化財の管理の質を向上させる。
国立博物館が持つ展示・公開のノウハウを研究所所有の文化財にも生かす。文
科省は統合に先立ち2法人の職員の非公務員化も検討する。

 国立博物館と文化財研究所は2001年度にそれぞれ独立行政法人化した。
国立博物館は東京、京都、奈良、福岡に計4館あり、文化財研究所は東京と奈
良に拠点施設がある。