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『産経新聞』2005年12月9日付

中教審中間報告 教員免許、10年更新制 教職大学院創設も提言

資質向上目指す

 指導力不足や相次ぐ不祥事などで信頼性が揺らぐ教員をめぐる制度の改革策
を検討してきた中央教育審議会(中教審)は八日の総会で、専門職大学院「教
職大学院」の創設や取得後の教員免許に十年ごとの有効期限を設けた「免許更
新制」を導入するよう求める提言を中間報告としてまとめた。学校現場での実
践的な力量を高めるために教員養成段階から改革を迫る内容だが、免許更新制
をめぐっては、現職の教員への適用は盛り込まれておらず、引き続き検討課題
としている。 

 中間報告では、大学の教職課程の最終学年で新科目「教職実践演習」を必修
科目として課すなど教員養成の改革を盛り込んだ。(1)使命感や責任感(2)
社会性や対人関係能力(3)子供への理解(4)教科の指導力−の点検を主眼
に、指導案作成や模擬授業など現場の実践力の強化をにらんでおり、教職課程
のある大学に外部評価や第三者評価を導入、「教員養成カリキュラム委員会」
などを設置し組織的に教員養成を行う体制整備を求めた。

 さらに、創設を提言した教職大学院は、これまで研究者養成に主眼が置かれ
ている既存の大学院とは一線を画し、高度な専門知識と実践的な指導力を備え
た新人教員の養成や現職教員が指導力をあげるための機関とするよう求めた。

 教職大学院の標準的な修業年限は一般の専門職大学院と同様に二年間とし、
四十五単位以上を必須とした。うち十単位以上は学校での実習とした。教授陣
も教職関係の経験を持つ「実務家教員」を四割以上置くように求めており、授
業科目に(1)教育課程の編成(2)教科の指導法(3)生徒指導や教育相談
(4)学級・学校の経営(5)学校教育と教員のあり方−などを挙げた。

 一方、中間報告では、教員になってからの資質や能力を保証すべく教員免許
更新制度の導入を提言した。

 免許状の有効期限を十年間と定め、期限内に講習で修了認定を受け免許を更
新。大学や都道府県教委で二十−三十時間ほどの講習を実施するよう求めた。