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『読売新聞』2005年12月8日付

北大大学院が名寄市、富良野市と提携(北海道)


 大学と地域の交流を目指し、北海道大大学院の農学研究科が富良野市と、理
学研究科が名寄市と、それぞれ包括連携協定を結ぶ。学生は研究室を飛び出し
て現場に学び、両市は学生の“パワー”を借りて地域活性化を模索する。9日、
両市で連携の調印が行われる。

 富良野市は、チーズやワインの産地で、農産物の廃棄物を燃料などに有効利
用する「バイオマス」にも取り組むなど、農学研究科の研究対象が豊富な地域。

 夏休みの学生を農家に泊めてもらい、農作業を体験したり、研究の実証ほ場
として協力してもらう。市主催の講座に教員を派遣したり、市職員などに大学
で講義をしてもらう構想もある。同科の坂下明彦教授は「学生は道外出身者の
割合が多い。みんな富良野ファンになってほしい」と話す。

 名寄市には市立木原天文台があり、理学研究科と天体観測で協力している縁
で、今回の提携に至った。観測協力に加え、観測画像をインターネットで子ど
もたちが見られるように整備したり、中学・高校の理科部などを学生が訪ねて
大学の雰囲気を伝えたりすることなどが、具体的な構想。

 同科の渡部重十教授は「名寄は空がきれいで天文観測に適している。地域の
街づくりにも積極的に貢献したい」と話している。