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『毎日新聞』2005年12月7日付

科学技術費:ノーベル賞受賞者3人 財務相に財政支援要請


 ノーベル化学賞受賞の野依良治・理化学研究所理事長、同物理学賞受賞の小
柴昌俊・東大名誉教授、江崎玲於奈・茨城県科学技術振興財団理事長の3人が
7日、谷垣禎一財務相を訪ね、「力量ある科学技術なくして、わが国の繁栄は
ありえない」などと科学技術振興への財政支援強化を要請した。国の06年度
予算編成は「聖域なき歳出削減」がテーマとあって、野依さんは「研究者の世
界で責任を負う立場にあり、危機感を持っている」などと訴えた。

 3人は他のノーベル賞受賞者を加えた6人の連名で、財務相のほか小泉純一
郎首相らにも要請文を提出。策定中の政府の第3期科学技術基本計画(06年
度から5年間)について、第2期の24兆円を上回る規模を求めた。

 谷垣財務相はかつて、科学技術庁長官も務めたが、現在は徹底した歳出削減
を進める立場。野依さんらによると、財務相は「科学技術は国の競争力、国力
の源泉であり、サポートしたい」「メリハリをつけて」などと話すにとどまっ
たというが、ノーベル賞受賞者の「集団要請」に、谷垣財務相らの悩みは深ま
りそうだ。【町田明久】