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就業規則の不利益変更の合理性判断基準星取り表

he-forum各位           12/2/05

       山形大学職員組合書記長 品川敦紀

全国の単組からの報告を見ますと、相変わらず多くの国立大学に於いて、問答無用の就業
規則の一方的不利益変更が強行されつつあります。

そうした大学の執行部は、就業規則の一方的不利益変更も「合理性」があれば可能である
かのごとき主張をしています。

そこで、そういった主張がいかに誤っているか、最高裁判例(第四銀行事件判例)が示し
た7項目の合理性判断基準に照らして検討してみましょう。


(1)就業規則の不利益変更によって従業員の被る不利益の程度
平成17年度   小さい                            O
平成18年度   大きい                          X

(2)企業側の変更の必要性の内容・程度
平成17年度   全くなし        X
平成18年度 運営費交付金の大幅減がない限り 小さい  X

(3)変更後の就業規則の内容自体の相当性
平成17年度   特定層ねらい打ちではない点で O
平成18年度   55才未満層に集中的打撃    X

(4)代償措置その他の関連する他の労働条件の改善状況
平成17年度   代償措置なし       X
平成18年度   代償措置なし       X

(5)多数労働組合又は多数従業員との交渉経緯
平成17年度   過半数代表、組合が反対なら X
平成18年度   過半数代表、組合が反対なら X

(6)他の労働組合又は他の従業員の対応
平成17年度   組合が反対なら      X
平成18年度   組合が反対なら      X

(7)不利益変更内容に関する同業他社の状況
平成17年度 民間、国家公務員に比べ低賃金   X
平成18年度 民間、国家公務員に比べ低賃金 X

こうしてみると平成17年度の改定については2項目がO、5項目がX、平成18年度につ
いては全項目X、とりわけ、合理性判断に於いて最も重要なファクターである「高度の必
要性」に関しては、平成17年度、平成18年度ともにXとなります。

このようなXだらけの一方的不利益変更は、最高裁判例に従えば決して認められるもので
はありません。