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『北國新聞』2005年11月30日付

研究設備を民間開放 北陸先端大 最新機器を企業に ものづくり後押し


 北陸先端科技大学院大が研究設備を民間に開放する取り組みを始めた。一企
業では持つことができない最新鋭の分析機器を簡単な手続きで利用することが
できる。専門的な問題には技術スタッフが対応。同大は民間との敷居を取り払
い、北陸のものづくり企業を後押ししたいとしている。

 北陸先端大は学内の技術スタッフを集めた新しい部署として技術サービス部
を七月に発足させた。二十人の技術スタッフが集中管理で学内の研究や教育の
支援をしているが、これら分析機器の空き時間を企業に活用してもらうことに
なった。

 北陸先端大にはタンパク質を解析できるNMR(超伝導フーリエ変換核磁気
共鳴スペクトル分析装置)や、元素が分析できるFT―MS(フーリエ変換イ
オンサイクロトロン共鳴質量分析計)、分子まで見える超高分解能SEM(走
査型電子顕微鏡)など国内有数の分析機器がそろっている。

 これら最新鋭装置を使うには、従来は共同研究の契約を大学と交わす必要が
あり、煩雑な手続きが必要だった。一方、企業からは研究というほどでもない
分析を頼みたいという要望があった。北陸先端大の技術スタッフが北陸の企業
を回り、研究設備や分析内容を説明し、民間のニーズを探ることにしている。

 技術サービス部長で学長補佐の三谷忠興教授は「分析機器について分からな
くても『こういうデータがほしい』という相談を気軽に寄せてほしい」と話し
ている。問い合わせは北陸先端大先端科学技術研究調査センター=0761
(51)4230=まで。