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『日本経済新聞』2005年11月30日付

北陸先端大、研究設備を企業に開放・産学連携を加速


 北陸先端科学技術大学院大学は、核磁気共鳴装置(NMR)など高度な研究
設備5種類を、民間企業が有料で利用できるサービスを始めた。これまでは先
端大研究者とその共同研究相手に利用を限っていたが、企業との接点を増やし、
産学共同研究の拡大を狙う。

 750メガヘルツNMRはたんぱく質の立体構造を解析できる性能を持つ。この
ほか、化合物の微妙な違いが測定できる質量分析計や高倍率の電子顕微鏡、光
電子分光装置なども外部に開放する。

 北陸では先端大にしかない装置も多い。企業は自社で購入が難しい機器を使
い、新素材や医薬品、ナノテクなどの研究を進めることができる。

 先端大は技術サービス部を窓口として受け付ける。測定条件をあらかじめ決
めた依頼だけでなく、企業が進めている研究開発の内容を聞き、それに適した
測定条件や機器の提案も行い、共同研究案件を開拓する。

 料金は1時間当たり1万円をベースにする。特殊な条件での計測はやや高めに、
先端大と共同研究を進める企業には割安に設定する。年数十件の利用を見込む。