トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『科学新聞』2005年11月18日付

科学技術基本政策の答申案
一般からの意見応募開始


 総合科学技術会議は、第3期科学技術基本計画のもとになる「科学技術に関
する基本政策について」の答申案
http://www8.cao.go.jp/cstp/pubcomme/kihon/tousinan.pdf)のパブリック
コメントを開始した。意見募集期間は12月11日(必着)まで。基本計画は、総
合科学技術会議が12月末までに総理に答申し、それを受けて各省庁が具体的内
容を策定、来年3月末には閣議決定される予定。

 基本姿勢として、社会・国民に支持され成果を還元する科学技術、人材育成
と競争的環境の重視を掲げ、(1)飛躍知の発見・発明(2)科学技術の限界突破
(3)環境と経済の確立(4)イノベーター日本(5)生涯はつらつ生活(6)安全が誇り
となる国という6つの政策目標をあげている。

 これらを実現する手段として、戦略的重点化、システム改革、国民支持の確
保、総合科学技術会議の役割を論じている。

 重点化では、これまでの重点4分野に優先的に資源配分しながらも、エネル
ギー、製造技術、社会基盤、フロンティアを推進4分野と位置づけ、適切に資
源配分する。また、8分野で分野別推進戦略を年度内に策定し、重要な研究開
発課題を選定し、各々の政策目標も明確化する。基本計画期間中に重点投資す
る戦略重点科学技術を選定し、選択と集中を実施。さらに、その中から国家基
幹技術を精選し、厳正な評価等を実施しながら推進する。

 システム改革では、若手研究者の自立支援、教員の自校出身者比率の抑制、
女性研究者採用の目標を25%にするなど、人材を育成・確保し、活躍を促進す
るための方策を盛り込んでいる。また、すべての競争的資金において間接経費
を30%措置するとともに、大学の競争力を強化するため世界トップクラスの研
究拠点を30程度形成、地域の大学の活性化を通じた地域再生などを盛り込んだ。
さらに、競争的資金以外の研究費も含めた府省横断的なデータベースの整備・
活用による研究費の有効活用、円滑な科学技術活動と成果還元に向けた制度・
運用上の隘路の解消などを進める。

 社会・国民に支持される科学技術を実現するため、倫理的・法的・社会的課
題への責任ある取り組みを進めるとともに、説明責任と情報発信の強化、国民
意識の醸成、国民の主体的参加などを進める。

 総合科学技術会議の司令塔機能を強化する。分野別推進戦略は、最新の科学
技術的知見を踏まえ、柔軟に変更を行うとともに、資源配分方針への反映のた
めの政策サイクルを確立し「活きた戦略」を実現する。独法、国立大学法人等
の科学技術活動を把握し、基本計画との整合性を分析し、場合によっては改善
措置を関係府省に求める。

 意見はホームページ
http://www8.cao.go.jp/cstp/pubcomme/kihon/kihonseisaku.html)から入力
できるほか、郵送(〒100-8970東京都千代田区霞が関3—1—1内閣府・科学技
術基本政策担当室御意見募集担当宛)、FAX03—3581—9288でも受
け付けている。